勤務先用に書いたものの転載です。
というわけで長かった善光寺御開帳特集もそろそろひと区切りだな
---え?いやちょっと待って、ちょっと待って下さい
なんだよ最近の踊る系お笑い芸人の真似か?むやみな流行への便乗はよくないぞ
---さんざんアニメやらスマホゲームやらに便乗しておいてよく言うなアンタ。最初の頃さんざんぱら話題にしていた本尊は秘仏なのでともかくとしても、本堂とか回向柱とかが全然出てこないじゃないですか
仕方ないだろう、Ingress のポータルになってないんだからさ、本堂。
---なってないのかよ!
すでにポータルになっているところと隣接するところはポータルになりにくいルールになっててな。先に本堂前の御百度詣数取とかがポータルに登録されたもんだから、本堂はおろか涼宮ハルヒが遊んでた大香炉もこの先ポータル登録されないんじゃないかな
---ひどいですね
まあせっかくだから本堂や御本尊については実際に善光寺まで来て見てくださいということにしておこうかなと。いや手抜きとかでなくて。本堂の本気でなにも見えない真っ暗な地下を手探りでぐるっと1週して御本尊の真下に備え付けられている錠前を触ってくるという「お戒壇めぐり」という、ダイアログ・イン・ザ・ダークみたいなアトラクションがあったりするし。それはもう実際にきてみて体験してほしいなと
---アトラクションて
老朽化によって長らく閉鎖されているが、一切経という長い経文を保存している「経蔵」というのがあってだな。今回の御開帳の少し前からやっと修繕がはじまったらしいのだけど。そこには「輪蔵」 というなんかばかでかい遊具みたいのがぶらさがっててさ。それにお神輿の担ぎ棒みたいな棒がついてるから、それを押して1回転回ると一切経をすべて読んだ のと同じような功徳があるという話らしい。チベット仏教でいうところのラマ車のでかいヤツだな。これもどうみたって遊園地のアトラクションだろ
---ま、まあいまは修繕中で見れないのでなんとも言えませんけども…
さしずめ本堂はシンデレラ城だな
---パレードはあるんですか?
朝の5時すぎに「お朝事 (おあさじ)」てのがあってだな。参道の脇にしゃがんでまってると貫主様か上人様かどちらかが日替わりの交代でお坊さんたちをひきつれてやってきて、手に持った数珠で頭をさわってくのだそうだ。これを「お数珠頂戴」という。まあエレクトリカルパレードほどは光ってないとおもうけどな。
---あたまのハナシかよ。普通に無礼だなアンタ
そもそも頼朝の馬がコケた駒返り橋とか、六十六部だか八百屋お七の供養だとか、どこまでホントかわかったもんじゃないじゃん?
---いやいやいやいやいや
いいんだよそれで。浦安のアメリカアニメのテーマパークに遊びに行く人がみんな2足歩行のネズミが実在すると思っているわけじゃないだろ?
---(これどこでフォローするんですか?)
た ぶん、善光寺も、そういうところだったんじゃないかなーと思うんだよね。仏教のテーマパーク。いやおおもとはどうだったか知らないけどさ。少なくとも鎌倉 時代に今の規模であの場所に建てられたんだか再建されたんだかのときのあたりから、そうなったんじゃないかと思うんだよね。勝手な思い込みだけどさ。で、 だとしてもそれはそれでいいんだよ。
昔のひとは今のひとより信心深かったとか、迷信深かったなんていう思い込みがあるけど、例えばほんの 20年前に新興宗教が流行ってあげくにテロ事件まで起こして問題になったこととかあったじゃん。そうかと思うと最近は若い女性がカジュアルに「阿修羅像 かっこいいー」とか言ってるしさ。昔も今も信心深かったり迷信深かったことがあったり、単純にキャラとして仏教モノをおもしろがったりした風潮や流行が あったというだけで、そんなに変わらないと思うんだよね。
むしろ、テーマパークというか遊園地だからこそ、難しい信仰とかのハナシはとりあ えず詳しいひとに任せておいて、そんな話はわからないような我々一般庶民どんなひとにも門戸を開いてくれているということだと思うんだ。だからほんと、信 仰がどうこういわないで、単純になんだかおもろいものがあるなーって楽しめばいいんだと思うよ。
---なるほど、するってーとあのハナシも親方のでっちあげですか?
あのハナシ?
---ほら、物部守屋のたたりとか。正直ちょっと怖いんですけど。
ああそうだな。あのハナシでひとつするのを忘れていたことがあってな。
善光寺の本堂は108本の柱がたっているんだそうだ。まあいわいる除夜の鐘と同じ煩悩の数ってやつで、これもまたおもしろい話だと思うんだけどね。
で、みんな丸い柱なんだけど、真ん中に立ってる1本の柱だけ四角いんだそうだ。神社でいうところの心の御柱 (しんのみはしら) と違って、ちゃんと天井の梁を支える、いわいる大黒柱なんだそうだけど。
---ほうほう
さっき言った「お戒壇めぐり」というのは、御本尊の真下にある錠前に触ってくるというアトラクションだけれども、実はこの四角い柱の周りをぐるっと1周まわってくるためにやってるとみれなくもない。真っ暗闇の中をな。
---なるほど?
そしてこの柱の名前は「守屋柱」といって、この柱の根元には物部守屋の首が埋められているという言い伝えがあるんだそうだ。どの文献に載ってたという話はきかないけどな
---やっぱり怖い話じゃないですかーーー!!!!
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