勤務先用に書いたものの転載です。
引き続き、御開帳開催中の善光寺さんへのお参りのついでにハックできるIngressポータルのご紹介。
前回ご紹介した「善光寺 入り口」から登ってまいりますと、左手には善光寺浄土宗の大本願、右手には宿坊と呼ばれるお寺が並んでおります。
宿坊というのは、こういう善光寺さんのような大きなお寺のまわりにある小さなお寺で、そこに用事で遠くからやってきたお坊さんや参拝者の方々ための宿泊施設にもなっているところです。
さてその宿坊の1つ、白蓮坊の前になにやら奇妙なお地蔵さんがなんだかムカつく顔つきで立っていらっしゃいます。もちろんこのお地蔵さんもポータル。
南伝仏教みたいな袈裟をきていますがチベットのお地蔵さんというわけではないようで。そしてこのお地蔵さんのおはなしはこんなおはなしだそうです。
むかしむかし、下総の国といいますから茨城県に住んでおりました1匹のムジナ、まあタヌキのようなものですけれども、そのムジナくん、どうしても善光寺にお まいりしたいということで、人間に化けて善光寺参りの講(集まり)にまじってやってきたそうでして。この写真でお地蔵さんの横にちょこんと鎮座しているム ジナくんですな。
このムジナくん、自分は畜生でありますから、殺生をせずには生きていけないということを嘆きまして、せめて善光寺さんに燈籠のひとつも寄進したいものだと思っておったそうで、同行の人間の皆さんにもそんなことを漏らしておったようです。
で、 遠路はるばる善光寺までやってきまして、白蓮坊に泊まるわけです。長旅のつかれもありまして、ゆっくり湯に浸かったところで油断したのでしょう、ムジナの 姿に戻ってしまったところを人に見つかりまして、逃げ出すはめになってしまいました。せっかく善光寺さんまでやってきたというのに、お参りをすることはか なわなかったわけです。
そんなこんなであわれに思った白蓮坊のご住職の手によって、ムジナくんの願いをかなえてあげようと、代わりに善光寺に常夜灯を寄進したのだそうで、それが「むじな燈籠」と呼ばれるようになったという、なんだかほっこりするお話ですな。
このお地蔵さんはちょっとイラっとする顔つきですが(ォィ)、このむじな燈籠のおはなしを参考に、比較的近年飾られるようになったものです。実はこの元になった木造のお地蔵さんが白蓮坊の本堂の方にあるのだそうですが、残念ながら私はみたことありません。
このお地蔵さんのムジナくんの像のおとなり、白蓮坊の庭先にこのように立派な燈籠がたっておりまして。
なるほどなー立派なもんだーと思ってしまうものの、いやまてよ、そもそもこのお話ではここのご住職が善光寺に燈籠を寄進したというハナシなんだからして、ここにあってはおかしいじゃないよと、賢明な皆様ならお気づきのことでしょう。
そうです、これは違うんです。だいたい多くの方が誤解されまして、私も毎回「なるほどこれが。いやいや違うじゃないか」と思ってしまいます (おーーい)。
本物の「むじな燈籠」は、善光寺本堂の左側、現在工事中の経堂のあたりにあるのだそうですが、アタシは未だにどれがそうなのかわかりません。ご存知の方是非見つけ方を教えてください。
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