主に地方公共団体なんかがやっている地域活性化活動みたいなヤツって、そもそもどういう地点にゴールが設定されているのだろう、と、たまにのほほんと思ったりすることがある。ぶっちゃけヒトゴトなので。
たとえば地元のPR動画を作りました!みたいのがあるけど、あれは誰にどこで見せるとどういう効果があると見込んで、費用をどれぐらいかけてつくりました、というハナシがないと、「よくもまああんなキタナイ田舎の風景をこれだけ美化した映像がつくれるもんだ、今の技術はすごいな」以上の感想を持つのは難しい。
ご当地B級グルメなんてのがあって、みんなで揃いもそろってあんかけそばを作るわけだけれども、あれはなんでみんなあんかけそばなのか。「我がご当地はヨソとだいたい同じです」と声高に主張したいということなのだろうか。
ゆるキャラ?まあ同じことを何度も書いてもつまらないので割愛する。
ひがみっぽい僕は、それって公金使ってレクリエーションをしているのであって、当事者は楽しく充実感があるのだろうけど、そのレクリエーションに参加する権利を持たない僕からみたら、だからなに?ということでしかないよな、と思う。
地域活性てのは公金で既得権益者がレクリエーションをすることであり、なんらかの効果や成果を出そうというものには見えない。例えば商店街でギネスに乗るほど長い巻きずしを作ることによって商店街の収益が上がる、という公式を導き出せる天才数学者は残念ながらこの惑星にはいないだろう。だからそういうものに全然参加したいという気持ちは湧いてこないし、参加したいと思ったところで仲間に入れてもらえるとはとても思えない。それはお前の根性がゆがんでいるせいだと言われれば、反論する言葉はないのだけれども。
文句があるならお前がギーンなりなんなりに立候補しろとか、なんらかの地元の団体に参加して活動しろとかいう適切なご助言をくださる方もいるけれども、オレのような貧乏人が政治家などになれるか。また、なにを好き好んで貧乏人のオレがシャチョーのムスコ達の寄り合いに参加して居づらい思いをしなければならんのか。そういう立ち位置を手に入れなければ愚痴のひとつもたれるべきではないなどというのなら、まあそういう世の中なのだろう。
長野県には来訪者信仰がある。これは歴史をたどると諏訪のタケミナカタや、仏教とともにガイコクから渡来した善光寺本尊にまで遡ると思う。その来訪者信仰はどうやら現代でも有効なようだ。例えば県内のコンピューター関係事業を振興しようというはなしはいちどもきいたことないけれど、県外からやってくる「IT事業者」には、くるだけで1万円進呈というすごいことをやっていたりする。まあ、現代の六部殺しみたいなオチがまっていたりはしないだろうが。
はなしは変わって、前回ちょろっと書いたけれど、長野県千曲市の市長選挙があった。
現職の圧倒的有利、下手すりゃ無投票再選か?と思っていたのだけど、対立候補が出た。その対立候補の方は、北陸新幹線(敷設開業済み)の新駅誘致活動反対のただ1点だけを挙げた。
結果、なんと得票差250票まで迫る大健闘となったらしい。
開票結果:http://www.city.chikuma.lg.jp/docs/2016102400035/
新幹線駅の誘致活動反対の1点だけでそこまで迫ったということは、それだけその反対意見に賛同するひとが多かったのだろうし、それでもわずか250票差で敗れたというのは、新幹線駅誘致活動反対だけを言っているひとに市長をやっていただくのはいかがなものか、という良識が働いた結果なのだろう。もっともその候補のひとがどういうひとなのか僕はよく知らないで言ってるんだけどサ。
そうはいっても選挙では賛成派の現職が勝利したわけで、そこまでの反対意見がありながらも、結論としては賛成意見が承認を得たということである。このクニの民主主義とはつまり多数決のことらしいので、そういうことなのだろう。よく知らんけど。
市長さんやその支持者の皆様、新駅予定地に現在建っている会社の方々などは、この結果をうけて、これからどうされるおつもりなのか、どういうゴールを設定してらっしゃるのか、大変に興味深い。単純にワクワクするというか、今後の展開はそうとうおもしろそうなヨカンがするので、じっくりとご意見など拝聴したいと思っている。
まさか世の中の多くの人々が、新幹線に乗ってジャスコに買い物に行きたいと思っているなどとお考えなわけではないでしょうしね。
大変なお仕事ではあるが、ワタシなんぞが代わりを務めるわけにはいかないことなので、ご活躍をお祈りするばかりである。
コメント