天国列車でまた行こう

しばらく前からソニーの国内楽曲が iTunes Store でも配信が始まっている。これに関しては長いこと確執と言っていいようなことがいろいろあったので感慨深いものがある。

ソニーといえば、自分が中高生だった頃はバンドブームだったわけで、その頃に群雄割拠したいわいる「バンド」の多くがソニーから CD をリリースしていたわけで、現在でもやはり最大手の版元である。

中高生の頃、自分の周りは BOØWY の大ブームが巻き起こっており、どいつもこいつもボウイボウイとお前らナニボーイだという有様で辟易していたものである。で、へそ曲がりの自分はレンタルレコード (CD に切り替わる直前ぐらいだった) 店で、同級生なんかがまず聴いていないであろうものを探して、James Brown とか Prince とかを聴き始めるのであった。

もちろん、イキナリそういうブラックミュージックに行くにはやはりきっかけがあったわけで、それは「爆風スランプ」だった。

爆風スランプといえば「Runner」に代表される青春ソングで一世を風靡したバンドであるけれども、それ以前…というと、多くの方には「無理だ!」等のコミックソング風のおもしろおかしいイメージがあるかもしれない。

もちろんそれらもそれぞれ味わいがあって、自分は江川ほーじん氏脱退前までが好きなのだけれども、特にアルバムで言えば『』の頃がいちばん好きだった。

歌詞もまだやたら青春青春してなくて、そうはいってもコミカルなばっかでもないカンジが中学生の自分には「大人」に思えた。それにサウンドも、いわいる BOØWY のソレと同じようなツクリの曲もあるけど、まったく違う雰囲気の曲が多かった。そうか、ファンクというのだなと、その後久保田利伸氏がデビューしてきたときに理解したものであるけども。

というわけで、今でも「天国列車で行こう」という曲が爆風スランプの最高傑作だと思っているのだけれども、どうやらアルバム『楽』は廃盤になってしまっているようなのと、この曲が入っているベスト盤を探すのも面倒でなかなか入手できなかっただけに、素直に嬉しいなというそれだけの話題である(苦笑)。まあ YouTube にあったりするんだけどサ…。

なお、このアルバムに収録されている「Yeah! 年末」という曲も、コミカルなようでいて別に特に笑わそうとしていない脱力的なカンジが、自分にはものすごくマッチしていて好きだったりする。これも隠れた名曲なので、是非ご一聴を。

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